グランドサークル

こんにちは。大阪府豊中市で手芸教室を主宰しています、とさともこです。

夏休みも終盤、いかがお過ごしですか?
帰省先での体験、校庭キャンプなどなど夏休みにしか味わえない経験をしている娘、
子供が連れて行ってくれる世界は親も冒険です。

さて、引き続き旅の記録。

アメリカのグランドサークルに行きました。

グランドサークルとは、アメリカのアリゾナ州とユタ州にある国立・国定公園が
サークル状に集中する地域です。

この地域はコロラドプラトーと言われる数億年前の地層が巨大な階段状に露出した高地で
殆ど手付かずのまま自然が残されています。

【1日目】

ラスベガスに着いた途端、息ができないくらいの熱気にびっくり。
そして数分後には乾燥で鼻が痛くなり、初めての砂漠気候に驚きました。

エンターテイメントなラスベガス!
ギャンブルの街、ラスベガス!
リゾートなラスベガス!
ショッピングの街、ラスベガス!

色々な顔を持つラスベガスを半日で観る為に炎天下、さっそく行動開始。

ラスベガスの街は南北に貫く LasVegasBlvd(ラスベガスブルーバード)という道に沿って栄えています。
このエリアを”ストリップ”といいます。
最初はこの単語に驚いたのですが、
ストリップには「服を脱ぐ」という意味の他に「細長い一片」という意味があって、
ここでは後者の意味で使われていました。

ラスベガスの見どころはテーマパークならぬ、テーマホテル。
どこに行こうか本当に迷ってしまいます。
まずは”ミラージュ”で非常に珍しい白ライオンと白トラを見に行きました。
わくわくしていました。が、みなさん爆睡中でした。
この暑さですからね。仕方ありません。

夫のお目当ての車の博物館を巡り、
次はラスベガスのランドマークであるストラトスフィア・タワーへ。

地上261㍍、360度の視界は足がすくみます。
夫は、この暑さを冷ますために(?)このタワーの屋外の一番上にあるフリーフォールに乗っていました。

さてさてお次は”サーカスサーカス”で大道芸を見たり、カジノで遊び、
ホテルに戻り噴火ショーを楽しみました。

眠らない街ラスベガスのエネルギッシュな世界を楽しみました。

【2日目】

さて、ここからは大自然の旅が始まります。

窓からの景色は砂漠の中のごくわずかな水分で生息するセージブラッシュから一変し、
背の高い綿の木や巨大な岩々が見えてきました。

これがザイオン国立公園

ザイオン国立公園はその岩のスケールで圧倒されます。
シャトルバスに乗り替えて岩を見学。

ガイド本を見ると、岩に”司教”とか”寺”という名前がついているので宗教的な感じを受けましたが、
ガイトさんの説明で納得しました。
ザイオンの語源は、古代ヘブライ語で「聖域」を意味するそうで、
その昔、モルモン教の入植者がこの渓谷を自然の寺院と呼び、
神の住む神聖な地として崇めていたそうです。

下から見上げると….小さい頃熱を出した時に必ず見る、岩が迫ってくる怖い夢の実写版かと思うくらい
雄々しかったのです。

①ウエストテンプル《West Temple》
ビジターセンター裏手の大岩壁の一番高くて大きいのがウエストテンプルの大伽藍。

②司教の宮殿《Court of the patriarches》
1916年にメソジスト教会の牧師がこの3つの岩山に旧約聖書に
登場するアブラハム《Abraham》、イサク《Isaac》、ヤコブ《Jacob》の名をつけたそうです。

③エンジェルスランディング《Angels Landing》
「天使の舞い降りるところ」という意味らしいけれど、
名前のイメージとは違い、断崖絶壁の勇ましい岩でした。

途中、小川が流れていましたが、
この水は岩山に浸透した雨が長い歳月をかけてしみ出してきた水で
4500年前の水だそうです。信じられませんでした。

④ウィーピングロック《Weeping Rock》
岩壁の砂岩層にしみ込んだ雨が岩肌にしみ出して
跡が幾筋も残り、泣いているように見えることから名付けられたそうです。

⑤グレート・ホワイト・スローン《Great White Throne》
周囲の赤い岩に対してここだけは白かったです。
グレート・ホワイト・スローンはオーストラリアのエアーズロックの2倍もある大きな岩です。

⑥テンプル・オブ・シナワバ《Temple of Sinawava》
ここが神聖な場所。

お説教を聞く教徒の姿の岩もありました。

ちょうどここは川が岩にぶつかって流れが変わる所で削られた岩が角になっており、隠れ家のようでした。
隠れ家といってもやはりそのスケールはすさまじく、せり立った赤土色の岩がところどころ黒光りしていて
荒々しい感じがしました。


ここから峡谷の奥へ行くとナローズ《The Narrows》(狭流)で、
ガイド本にはこの先のトレイル(ハイキングコースや遊歩道の事)からが
ザイオン公園のハイライトと書かれていますが、私達のツアーは、ここが終点でした。

シャトルバスツアーを終えて、観光バスに乗り込みました。
急な坂を登る途中、正面の岩壁に見えたのはグレートアーチ《Great Arch》。

ザイオンを出発し、トンネルを抜けると目の前には別世界が広がっていました。
鏡餅の様な岩だらけ。

そんな不思議な光景の次に到着したのは升目模様の大きなチェッカーボードメサ《Checkerboard Mesa》。
縦の線は外気と岩の温度差によって、横の線は風化でできたそうです。

またまたバスはブライスキャニオンへと移動するのですが
その道中にもレッドキャニオンという、その名の通り、赤い地層でできた尖塔が見れました。
この赤土は先程の色とはまた異なり、柿のような赤でした。

ブライスキャニオンに到着。
駐車場から降りてビューポイントに到着すると今まで閉ざされていた視界がパッと180度開けて、
足元にブライスキャニオンが現れました。

息を呑む光景。
衝撃でした。

彫刻家が丹念に削ったかのような見事な岩の柱が無数に並んでいます。
その連なりは古代遺跡を思わせます。

雪解け水や雨水が作り出す、気の遠くなるような芸術作品。
この奇妙な尖塔の間を吹き抜ける風の音もまた妙な音色でした。

私達はこの尖塔の隙間に入っていきました。
上から見る景色とは全く異なります。
何という迫力でしょう!
手で岩を触ると当然硬く、これを削る自然の力にはただ驚くばかり。
尖塔の隙間には背の高い松の木が生息しており
太陽を求めて生長するその生命力にも驚きました。

最初は淡いピンク色をしていた尖塔も
夕暮れ時にはオレンジ色に染まり、この断崖は本当に素晴らしい光景でした。
【3日目】

陽が長いので太陽が沈む夜9時くらいまでハイキングをして
翌日は朝早くから出発なので
この旅はまるで体育会系の強化合宿のようです。

道中、地層が石畳のようになってきて、
キャピトルリーフ国立公園へ到着しました。

地表に露出している地層は、約2億年前の三畳紀のものだそうです。

そこには持ち上げられた地層のうねりが広がり、その地層が縦になってしまう所もありました。
この硬い大地が粘土みたいに見えます。
そして、赤土だったり灰色だったりいろんな色が次々と現れました。

そしてここには古代インディアンの岩絵がありました。

岩に染みこんだ塩分の塊の含まれた地層が川によって浸食されると、
その塊が溶けて塊ごと落ちるので穴が空いてしまう。
この穴を利用してモルモン教徒は寝室にしていたそうです。

キャピトルリーフ国立公園を出発し、次の目的地へ向かう途中に
これまた一面灰色の不思議な世界が広がっていました。

こんなに次々と光景が変わると、見逃すまいと思い、車中で寝ていられないです。

次に到着したのがデッドホースポイント州立公園
キャニオンランズ国立公園の間にある州立公園で
180度のカーブを描くコロラド川の流れによって形成された半島は
ガチョウの首《Goose Neck》と呼ばれています。

その昔、半島の平らな部分に野生の馬を追い込み、捕獲したが、
その馬が逃げようと断崖へ踏みだし転落して死んでいった事から
この名前がつけられたそうです。

よくこんなに蛇行したものですね。
上から見下ろす、果てしなく続く大地は圧巻でした。

次に到着したのがアーチーズ国立公園

アーチーズとはその名の通り、自然にできたアーチが
294㎡(東京23区の約半分)の地域に、1500も点在しているところ。

ビジターセンターからすぐのところにパークアベニュー《Park Avenue》と呼ばれる岩があります。
この岩々をマンハッタンのビル群に見立てたようです。

←岩がずれています。

お次はコートハウスタワーズ《Courthouse Towers》があります。
ここにある岩はいろいろな名前がつけられています。
例えばオルガン《The Organ》や羊《Sheep Rock》、うわさ話をする3人《Thhree Gossips》など。

そこを過ぎると次はバランスロック《Balanced Rock》。
これは細い岩の上に大きな岩が乗って、微妙なバランスを保っているというもの。
そんなモニュメントだけがぽつりと立っているのは面白い。
今にも落ちてきそうです。

最後に、ウインドウセクション《Windows Section》に向かいました。
ノースウインドウ、サウスウインドウ、と呼ばれる岩があります。
正面にある岩を鼻として両目のように見えるので別名メガネ《Spectacle》とも呼ばれています。

←あまりに大きくて全体像を写せなかったのでハガキです

広大な大地に巨大なアーチがあるため、距離感がおかしくなってきました。
近付いて見ると、そのアーチの巨大さに驚かされました。

次は反対側のダブルアーチ《Double Arch》。

1カ所から2本のアーチがV字にかかっている珍しいアーチで
ダイナミックさにしばらく見とれていました。

この日の夜空は星が綺麗で、地面に寝そべって、しばらく空を眺めていました。
流れ星、2回見れました。
お互いに願い事を早口で3回言う姿は全然ロマンティックでは無かったですけど。

【4日目】

今日は、地球の歩き方「アメリカの国立公園編」の表紙にもなっている
デリケートアーチ《Delicate Arch》を見に行くので朝から張り切っています。

つるんとした灰色の岩山のトレイルをひたすら登るのですが、
日陰の無い山登りは太陽の陽射しが直撃し、かなりしんどいです。

が、最後の岩をよじ登るとその姿が現れました。

これは、美しすぎます。
どう表現して良いか分かりません。

次に向かったのがモニュメントバレー

1年間に12インチ以下の雨量なのでここは砂漠です。

モニュメントバレーに向かう国道は映画フォレストガンプでフォレストがひたすら走り続け、
突然「疲れた。」と言って辞めるシーンに使われています。
その光景を記憶していたのでちょっと感激しました。

ここは、ユタ州とアリゾナ州の州境にあるナバホ族居留地内で、
ナバホの人々が管理、運営する、ナバホの人々の公園なので、
知名度はありますが国立公園ではありません。

ナバホの人々は日本人とどこかで繋がっているとガイドさんが教えてくれました。
発音が日本と似ているそうです。
タナカさんもいるし、さよならの事を「ハコネ」というし、方向を示す「アッチ」や「コッチ」も
日本語と全く同じ意味で使われているそうです。不思議です。

そして、ここに来たらジープツアーが人気です。
ビューポイントを効率よく案内してくれるから。
でもこのツアー、砂埃がひどいのです。道路は舗装をしても洪水でたちまち流されてしまうので作らないそうです。

アメリカの西部劇といえばこれ!ようやく間近で見られました。

3億年近く前の地層が隆起して現れたのですが、
長い期間の風化と侵食によって徐々に柔らかい地層が沈み、
堅い岩盤などがそのまま残って今の景色を作り出したそうです。

今まで見てきた物とは異なり、浸食された部分より残っている岩の方が少ないので
地平線にニョキっと塔が生えているようで、不思議な光景でした。
大地の大きさに圧倒されました。

ジョン・フォードポイント《John Ford’s point》

メリック《Merrick Butte 》
3人の修道女《Three Sisters》
らくだ《Camel Butte》

  

ミトン《Mitten Butte》

西部劇には全く興味がありませんでしたが
この素晴らしい光景を見ると、是非、ジョン・フォード映画を観てみたくなりました。

この日の夜空も綺麗で星が降ってきそうでした。

【5日目】

モニュメントバレーの見所といえば日の出です。
朝6時9分の日の出に合わせてベランダに張り付いていました。
日の出前の朝焼けも美しかったし、日の出の瞬間も最高でした。

メサと呼ばれるテーブル型の岩、ビュートといわれる岩だけの山に
朝日を浴びた姿は、独特の神々しさが味わえます。

そしてまた今日の旅は始まりました。

今日最初の下車はナバホ・ナショナルモニュメント。
岩盤が落ちた部分に石を積み上げて作った家を見れました。

次の目的地はグレンキャニオンダムと言って、
アメリカで2番目に大きな人造湖レイクパウエルを作ったダム。

ダムからの風景は青いコロラド川と赤土の岩のコントラストが美しく、
柵のない断崖に、心臓がひやっとしました。
絶景でした。

時間があったらレイクパウエルでウォータースポーツを楽しむのも良いです。
残念ながらこのツアーはレイクパウエル湖畔で過ごす事はできませんでした。

お次は今日のハイライトである
アンテロープキャニオン

砂丘が固まってできた砂岩に
時折降るスコールが地面に浸透するよりも早く低い土地へと集まり、
強力な勢いの鉄砲水となって削られてできたそうです。

峡谷内はあまりにも狭く、空がわずかしか見えないので
谷底に日光が届く正午前後の数時間しか幻想的な世界を味わえないそう。
私達のツアーは日系のツアー会社だった為、
ぬかりなく、一番良い時間を押さえてくれていました。

そこでアクシデント。
砂漠を走るジープが途中でスタックしてしまったのです。
エンジンをふかせばふかすほどタイヤは埋まって行く。
応援も呼べないので砂漠を歩きました。
タイヤのように、私の足も埋まりそうでした。

アンテロープキャニオンの入り口に入った途端、目の前の光景に立ちつくしてしまいました。
しばらく写真を撮る事を忘れてしまったほど。

自然に出来たにしては美しすぎるし、
造ろうと思って造れるものでもない不思議な造型です。

壁をなでると一方はザラザラ、逆方向はツルツルと
感触が違うので鉄砲水は向こうから流れて来たのだと分かります。

この光景は忘れられません。

感動の余韻に浸りながらも次はグランドキャニオンへ。

グランドキャニオン。
アメリカの国立公園と言えば必ず挙がる場所がここではないでしょうか。

グランドキャニオンの起源は今から7000万年前、
この一帯を含む広い地域が地球の地殻運動により、
『カイバブ・アップリフト』とよばれる隆起を形成したことに始まります。

約4000万年前、雨水を集め、流れ出るコロラド川による侵食が始まって、
峡谷は500万年前にほぼその全容を現し、
現在見られるような峡谷になったのは、約200万年前だそうです。

そして今もなお、侵食は続いているのです。
グランドキャニオンは平均深度およそ1200㍍、長さ446㎞、
幅6㎞~29㎞に及ぶ。最深地点は1800㍍。
と、ガイド本に書いてある通り書き記してみたけれど、訳わからない。
長さは東京から滋賀の琵琶湖辺りまでのようです。

コロラド川を境に南のサウスリムと北のノースリムに分かれています。
私達はサウスリムに滞在しました。

サウスリムといっても、これまたビューポイントはいくつもあるので
東側から見る景色と西側から見る景色では趣が違います。
一番東のデザートビュー《Desert View》

夕日の綺麗なヤバパイポイント《Yavapai Point》



 

【6日目】

朝日の綺麗なマーサーポイント《Mather Point》

少しでもこの峡谷を味わいたかったのでエンジェルトレイルに挑戦しました。

行けども行けどもコロラド川は遙か遠く。
陽射しが強く、途中で眺めを堪能し、引き上げてきました。

この旅もそろそろ終わりに近づいてきました。
ルート66を通ってラスベガスへと向かいます。

【ルート66とは】

1926年に創設されたアメリカ合衆国の国道。
イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結ぶ全長3,755km(2,347マイル)の道路。
1985年に州間高速道路の発達によりその役目を終え廃線となったが
この歴史ある国道を守るために保存運動が広がり
現在では、旧国道66号線(Historic Route 66)として
国指定景観街道(National Scenic Byway)に指定されている。(ウィキペディアより)

その保存運動の中心となった人物がアリゾナ州のセリグマンで
理髪店兼土産物屋を営んでいるエンジェルさんです。

そこには古き良きアメリカがありました。

今回のグランドサークル、これぞアメリカ!という旅でした。

 

 

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